【都市デザイン基礎科目】横浜インナーシティ論

講師:櫻井淳
 (横浜市立大学開講授業:大学院特別講義=インナーシティ論)

日時:前期|変動隔週・月曜18:00~21:00


横浜のインナーシティは多様な問題や課題を包含していますが、その混沌の中に横浜がこれから新しく成長するための可能性を多く秘めています。都市活力の源泉はインナーシティの中にあるのではないでしょうか、こんな論議を展開していきます。

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授業の進め方
できるだけゲストとして、インナーシティの関係者や地域の方々との対談形式により、テーマに沿って議論を深めます。また、野毛、横浜橋、黄金町、寿町、福富町、伊勢佐木町、若葉町といった、様々な地区のゲストによる活力の源泉を浮き彫りにします。
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履修にあたっての注意事項
事前に、横浜インナーシティ地区のフィールドワークをし、できるだけ同地区を体験しておくことが重要です。


日程:

第1回-4月12日(月)
      全体オリエンテーション・櫻井淳+鈴木伸治

第2回-4月19日(月)
      「野毛がつくり出してきたものとこれから」・福田豊(万里店主・野毛大道芸)+櫻井淳

第3回-5月24日(月)
      「寿はどこへ行く」・曽我部昌史(神奈川大学教授・みかんぐみ)+櫻井淳

第4回-6月7日(月)
      「横浜橋商店街と酉の市」小嶋寛(ハッスル)+櫻井淳

第5回-6月21日(月)
      「中華街の力」未定+櫻井淳

第6回-7月5日(月)
      「元町は関外か」未定+櫻井淳

<日程未定> 第7回-日程変更(6~7月 土曜日へ変更予定) 「横浜におけるエスニシティ問題」・広田康生(専修大学文学部教授)※1+櫻井淳

<休講> 5月10日(月) 北仲スクールワークショップ(京都精華大学)「公開講座」開催のため、休講

※1・・・広田康生(ひろた やすお)
1949年生
立教大学大学院社会学研究科博士課程前期課程修了
専修大学文学部教授 博士(社会学)
『エスニシティと都市[新版]』(有信堂 2003)/『都市的世界/コミュニティ/エスニシティ』(共編著 明石書店 2003)/『ホーボー』[上・下巻](翻訳 ハーベスト社 1999~2002)


#以下、第1回レジュメ抜粋####

第1回 横浜都心部の概要とインナーシティ

■インナーシティについて
 インナーシティは、コミュニティの崩壊、低所得者の地区、治安の悪化、風俗街地区の機能が低下し、都心にありながら、取り残された地区を指す。しかし、マイナス面だけを取り上げる一方で、都市の新しい文化やライフスタイルを創造する可能性を持った地区ではないか、といった意見がある。古くはジャズが生まれた地区、ニューヨークのソーホーやブルックリン、ニューキャッスル/ゲーツヘッドなども低所得者層だけが固定化するのでなく,多様な文化が交り合ったときに、均質な郊外空間ではできないコミュニケーションが生まれる。
こういった混沌とした地区が都市には必要ではないか。都市社会学のジェーン・ジェイ子ブスが1960年代に予言していた。

■都市が多様性を持つための条件として、ジェイコブスは次の4つを指した。

1. 混用地域の必要性
 地域が住宅地やオフィス街など単一の用途しか持たないのでなく、2つ以上の機能をもっていること:近代都市計画の単調なゾーニングに対する批判。
2. 小規模ブロックの必要性
 いくつものルートが利用できることで、その都度新しい発見がある。
3. 古い建物の必要性
 新しい建物ばかりでは、儲けの多い事業しか存在できなくなってしまう。(古い建物も残した多様な都市のイメージ):再開発により一気に街が更新されてしまうことへの批判。
4. 集中の必要性
 高い人口密度で、子供、高齢者、企業家、学生、芸術家、など多様な人々がコンパクトな都市に生活していること。


例えば、現在横浜のインナーシティにアーティストを参加させながら、実験している地区は寿町と黄金町地区であるが、これらの地区のあり方についても、少し言及したい。