【開講案内(10/5〜)】(1/25終了・最終レポート課題掲載)
 H23後期・都市デザイン系基礎科目「都市デザイン論B」

都市デザイン論B「都市デザインの新たな可能性について考える」


 横浜においては、1971年の都市デザイン担当設置以来、さまざまな都市デザインの実践がなされ、歴史、水・緑、市民参加などを都市づくりに取り入れる新たな試みがなされてきた。近年取り組まれている文化芸術創造都市の取り組みも、こうした都市デザインの成果の延長線上にあると言えるだろう。 本講義では、これからの都市デザインのあり方を巡って、若手の都市デザイン研究者を中心にゲスト講師を迎えて、ゼミ形式で議論を行う予定である。

講師 鈴木伸治 横浜市立大学准教授
→シラバス情報

<最終レポート>
課題
(1) テーマ
(本講義のテーマ或いは、自身で考察されるテーマ ※複数のテーマも可)
 例:「観光と都市デザイン」、これからの都市デザインの在り方等

(2) 考察
(授業の感想、提案や、これからの横浜や社会へ望む姿等)
以上

※授業で配布しました資料は北仲スクールで保管しておりますので必要の際はスタッフの中川へご相談下さい。

提出方法
・提出枚数:A4用紙3枚以内(写真等、画像の添付可)
・提出日:平成24年 2月4日(土)
・提出方法:メールにて提出データを添付
・提出先:ud-yokohama@kitanaka-school.net
〒231-0003 横浜市中区北仲通5丁目57-2 北仲BRICK2階
TEL 045-263-9075  FAX 045-263-9076

不明点等は北仲スクール中川までお問い合わせください。
以上

10月 5日横浜の都市デザインを振り返る 鈴木伸治
10月19日都市文化の再生と都市デザイン 鈴木伸治

(スタッフ中川より)
〜世界の「今」の都市デザイン、歴史的建造物の保存活用などを見ます〜
上海、台北などは近代建築等が保存活用され、地域の歴史を重んじる都市が形成されています。
実は、これらのデザインは「横浜」の都市デザインの一つ「歴史を生かしたまちづくり」を模した取組なのです。上海の「外灘」では19世紀から第二次世界大戦までの西洋建築の高層建物が群として保存活用されています。黄浦江の西側一帯に延びる建物群は圧巻です。
横浜では「みなとみらい」の景観は、私達の誇るものの一つですが、歴史的な建物は経済・社会的な理由等から取り壊されてもいるのが現状です。
このような横浜の動きに対し、世界の都市は。
次回、「都市デザインの新たな可能性について考える」是非、ご参加ください。

11月 2日産業(都市空間)と都市デザイン
ゲスト:野原卓(横浜国立大学准教授)

(スタッフ中川より)
京浜工業地帯はかつての製造の拠点から、
現在は開発などの部門へと用途が変化し、
また製造部門はアジア諸国へ移転しています。
残った工場の跡地にはマンションが開発されるなど、
地域の構造が変化しつつあります。
一方で、この度の震災やタイの洪水などが起こり、
一企業の世界展開と都市問題が浮き彫りに。
先達てご提案されましたTOKYO2050を含めて、
これからの都市について、ご講義いただき、
みなさまと都市、地域、デザインについて考えていきたいと思います。

11月16日都市デザインを歴史的に俯瞰する
ゲスト:中島直人(慶応大学講師)

都市デザインの流れの分析の上で、
市民が自ら愛情をもって展開するまちへ、都市へ。

「暮らしていてよかったな」と思える都市とは。
都市の課題解決、現象の記述・解釈、
都市計画、都市の本質、そこにある人間社会について、
「確かめよう」というお気持ちをもってご研究を進める中島直人先生。

これまでのご研究は「都市計画の時間的問題」。
都市の歴史資料を集め、検証と歴史叙述を重ねられてきました。
その上で都市計画遺産、文化的な視点による都市と農村の景観、
また都市デザイン論の動向・潮流、
素材型地場産業を活かした地域などのご研究を展開されております。

これらの研究をもって各地での実践を通じ、社会への還元、
市民が自分たちが愛する町を考え、
「自律」したまちづくりを応援していきたいとのお考えです。

目指す学問(夢)は、都市計画技術、都市計画教育、都市計画研究、
そして暮らす人々がそれぞれに抱く都市への関心、興味、愛情をなめらかにつなぎ、
都市・街を「教科書」に、まちづくりやまちづくりに関わる皆様を「教師」とする
「都市学」と呼ぶに相応しい何ものか、への探求。

(スタッフ中川より/参照:慶應義塾大学中島直人研究室ホームページ

11月30日都市のたたみかたと都市縮小時代の空間像
ゲスト:饗庭伸(首都大学東京准教授)

(スタッフ中川より)
縮小社会は既に地方等にはみられ、人口減に伴って資金もなく管理が行き届かない地域は、きっと日本中に多いものと思われます。

その一方で日本が途上国の恩恵の上にありつつも、移民の受け入れなどの課題解決には遠く。
様々な分野のグローバル社会の中で、都市の在り方は、個人の構え方の集合体にすぎないのかもしれません。

その個人の構え方は(「これからどうなる?ヨコハマ」饗庭先生の講義録より)

A「ハイパーエリート」
大都市居住の知識層。クリエイティブクラス。

B「社会福祉受給者」
低価格(諸外国で生産された品々が集まる雑貨)の商品を購入。
ある意味、グローバル社会を編集している。

C「スローランド」
資産を持つが資金を持っていない。
住宅ローンが終了したので、稼ぐ必要は差ほどなく、少ない資金で生活。グローバル経済と切り離された人々。
この層が増えてきている。

D「グローバルアルチザン」
山奥の鯉の養殖業さんを一例にあげると、お客さんはインターネットで購入する海外の方。
年間で数回程、購入されれば事業主さんは程程の生活が保つことができる。
日本でつくられたものが、実は海外ではとても認められる。

都市、社会、グローバルな中での日本、はてまた個人の在り方。
在り方、構え方・・・、ご講義いただきます。

参考文献:「これからどうなる?ヨコハマ」
(これからどうなる?ヨコハマ研究会事務局 BankART1929)

12月14日「米国の中心市街地再生における空間計画」
 ゲスト:遠藤新(工学院大学准教授)

(スタッフ中川より)
米国にみられる中心市街地再生は
超高層オフィスやホテル、商業などの複合的な開発、
ウォーターフロントなどの環境を用いる「観光」的な開発、
また伝統的な建物郡を再利用する開発など、
結果として周辺地域と差別化を図るエリアがつくられています。
一部にはテーマパークのような街もみられるほど、
「個性的」なエリアが開発されました。

米国にみられるエリアの個性化は、
「芸術」「歩行空間」など、テーマや計画にもとづくもの、
倉庫街の転用等、その地域の資源を活用するもの、
補助金や税優遇、エリアマネジメントによるもの等が上げられます。
そして、これらの個性を高めるには一帯としての構想、
エリアをつなぐ連続性が不可欠です。

「全体構想に基づいて各地の連携をはかり、エリア全体の魅力を高めます」、
というような文言は行政の指針等で見受けられるものですが、
実際のところは、どのような方法、展開を指すのでしょうか。

今回は米国で展開されたエリアの開発、これらが果たした役割を事例に、
これからの都市、地域運営の示唆、
そして「横浜を『ドウスル?』」等の議論を深めていきます。

 1月18日「(仮)メディアを通じた都市の姿」
 ゲスト:水島久光(東海大学教授)

(スタッフ中川より)
今回の都市デザインは北仲スクールで、
都市デザインを担当される鈴木伸治先生と、
メディアを担当される水島久光先生のタイアップです!!

「景観」「風景」とは・・・。
景観の条例などもある中で、そもそも景観とは、どんなものを指すのでしょうか。

画像や映像にみられる人、建物、自然。
各地で撮影されたものをみると、共通点、差異がみられ、
そのような視点からみる各地の都市、当時の都市の姿とは。

北仲スクールで「メディア」の分野をご担当される水島先生。
昨年末から北仲スクールから発信するワンセグ放送も始まりました。
この放送の範囲は北仲スクールから歩ける程度のものですが、
このエリアにやってきてこそ、見られる放送、情報。
その情報からの、つながり。
つながりから、人と人への手のつなぎ。

「都市」と「メディア」・・・メディアから都市を分析、そして促しを。

 1月25日「(仮)観光と都市デザイン」
 ゲスト:川原晋 (首都大学東京准教授)

(スタッフ中川より)
都市は、多くの人々が行き交い、文化が生まれ、町の魅力となり、
この魅力にふれる「観光」スポットが点在します。
都内を巡る「はとバス」ツアーもその一つですが、
こんにちでは「エコツーリズム」のように、
観光をされる方が自らの手足で、見聞きし、味わい、
経験を手に入れる「観光」がみられます。
川原晋先生が手掛けられる東京都大田区の町工場を舞台に展開される
「おおたオープンファクトリー」は、町工場を開放し、
工場の「おじさん(おにいさん、であったり、おねえさんであったり)」から、
機械や技術のお話、もしかたら昔話や未来のお話も、伺ったり、
その工場の製品などの見本市を軒先に展示されたり、
体験ツアーなど、町工場という地域を上げてのイベントです。
地域の方に触れ、製品に触れ、その技術に触れ、
自分の体験を得る、という観光。

川原先生はこの他にも、東北の復興、
山形県駒岡市では街の歴史を短編小説を用いて価値を表現するなど、
地域の魅力づくり、人々の営みをつくりだすご活動をされています。

今回は「都市」と「観光」。
これからの「観光」、と「都市」の姿、
開港というキーワードに執着しているようにみられる、こんにちの横浜、
これからの姿、私たちの課題・・・。

都市デザイン論最終回は、都市の魅力について考察します。


会場: 北仲スクール3階大教室
曜日: 水曜日
開始時間: 18:30
申込: 不要
参加費: 無料

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問い合わせ:
北仲スクール(横浜文化創造都市スクール)担当 中川
〒231-0003 神奈川県横浜市中区北仲通5丁目57-2 北仲BRICK 2階
TEL:045-263-9075 FAX:045-263-9076 E-mail:ud-yokohama@kitanaka-school.net